お中元は、普段お世話になっている方に対し、その感謝を込めて夏のある時期に贈り物を贈るという日本に古くから伝わる伝統的な習慣です。
ただし、最近は人付き合いがドライになっている状況や古くからの習慣を煩わしと感じる社会的な風潮、そして長らく続いているデフレ経済や景気低迷の影響などから、状況は昔と少し違ってきています。
そこで今回は、いつ、もう一度改めてお中元の基本的な事項について確認してみたいと思います。
★目次
★お中元の由来とは
それでは、そもそもお中元という習慣は、どのようなことから始まったのでしょうか?
その由来とは、お中元の「中元」は、道教の「三元(上元/旧暦1月15日、中元/旧暦7月15日、下元/旧暦10月15日)」にあり、中元は「罪を贖(あがな)う日」としてお祭りが行なわれていたことにさかのぼるようです。
時がたち、中元はお盆のルーツである盂蘭盆会(うらぼんえ)の行事と一体化し、江戸時代頃に、お盆にご先祖様へのお供えするのと併せて、「お世話になった人へ贈り物をする」という習慣になったといわれているんです。
★お中元の贈り方
お中元を贈る時期は、主に東日本と西日本では異なっています。
東日本では、新暦の「7月15日」、西日本では旧暦の7月15日にあたる「8月15日」を中元とし、贈り物はそれぞれ「月初めから15日頃まで」の間に贈るとされています。
また、お中元の熨斗(のし)は、紅白の蝶結びの水引がついたもの、表書きは「御中元」とするのが通常の形になります。
ちなみに、意外に悩む方が多いのが、喪中におけるお中元のあり方です。この点、結論としては、喪中でもお中元(お歳暮)のやりとりは大丈夫です。
亡くなった方の喪に服す期間である「喪中」は、基本的にお祝い事を差し控えるものだすが、お中元やお歳暮は、お祝いではなく「季節のごあいさつ」なのでということが理由です。