へその緒にまるわるエトセトラ

赤ちゃんが誕生すると、大切な記念品として取り扱われる「へその緒」。ですが、いざ「へその緒」にまつわる諸問題に直面してみるとどうすればいいのかわからず、戸惑ってしまうというケースも少なくありません。このコラムでは、そんなへその緒について見ていきたいと思います。

●へその緒ってそもそも何でしょう?

へその緒とは、臍帯(さいたい)と呼ばれる胎児と母体の胎盤を繋ぐ白い管状の組織になります。赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる出産前は、へその緒が母体の中にいる赤ちゃんに対して酸素や栄養を送る大切な供給窓口になりというわけなんですね。へその緒は、生まれる前の赤ちゃんにとっては、お母さんとの大事な絆であり、唯一の命をつないでいくライフラインなのです。

●へその緒は大切なお守りでもあった

へその緒がお腹の中の赤ちゃんの命を支えている命綱であるということから、日本には昔から、へその緒をある種神聖なものとして考える伝統のようなものがあります。例えば、へその緒は昔から、一種のお守りとして重宝されてきました。命が危険にさらされている危篤の時にへその緒を飲ませると命を取り留められるという言い伝えが存在したり、危険極まりない戦地に赴く時に持たせると命を守ってくれるなどと信じられていたり、人を一生守ることになる大切な護符として信仰されてきたのです。

●へその緒の儀式的な意味合い

へその緒は、日本に古くから伝わる儀式において重要な役割を果たすこともあります。赤ちゃんが生まれてから7日目に名前を付けて親族にお披露目するという伝統的な儀式(お七夜)がありますが、その際、赤ちゃんの名前を記載した命名書と一緒にへその緒を神棚か仏壇にお供えするということが行われる場合があります。このような儀式は、地域によって異なる場合が多いのですが、へその緒を神聖に扱うことによって、赤ちゃんの健康と幸せを祝い祈るという意味合いで、用いられます。
また、最近では、出産時に通常は医師などが担当するへその緒の切断を出産に立ち会っている父親に許可する産院もあるようです。
いずれにしても、へその緒を神聖なものとして意味づける意識が根底に流れていることは共通しています。

●へその緒の適切な保存方法とは

へその緒の保存に関しては、たんすの引き出しに入れておく方法が一般的であるようです。保存に関して最も大切なのは、湿気に十分注意してカビなどが生えないように注意することです。最近では、へその緒専用の保存ケースも様々なものが市販されており、防虫や防カビの機能性も向上していますから、利用してみるのもよいでしょう。

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